第23回1/1:ワンコンテンツ・マルチメディアの中のセミナー





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆DTPのためのPDF本を上梓しました:ワンコンテンツ・マルチメディアの中のセミナー1/1

 先日久しぶりに、書店に並ぶ本を書かせていただきました。「DTP実務者のためのAcrobat PDF活用ガイド」という本です。どうぞお見知りおきください。

24-01.jpg
 PDFについてかかれた本はたくさんあります。PDFといっても、いろんな側面がありますから、実は本の一冊や二冊では解説しきれないところがありますな。まあでも、そうはいっても、DTPに関わる部分でディープに解説した本はあまりないのではないかと思ったりもしまして、私なりに書いてみようと思った次第です。

 私が以前書いたPDF本に「Acrobat 4.0フォント埋め込み講座」「Acrobat 4.0使いこなし読本」という本がありまして、これはインクナブラ発行になっています。ところが、Acrobatも5.0になって、もうかれこれ1年立つわけでして、Acrobat 5.0での解説本が必要ではないかと思うところもありました。

 まあ以前書いた本が二冊もあるので、それを5.0になぞらえて書き進めばいいのではないかと、安易に考えていましたが、ところがそうはどっこい問屋が卸さないんですな。おもったり時間がかかってしまいました。書き始めて書き終わるまで、恥ずかしながらなんと8ヶ月もかかってしまいました。それでも、その分だけいい内容になったとは一人で得心しておりますけどね。

 当初Acrobat 5.0は、Acrobat 4.0に比べて、DTPというカテゴリーからみていくと、

たいしたバージョンアップではない


というのが、私の実感でした。「Macintosh版でDistillerでTrueTypeが埋め込めるぐらいでしょ」とか、「透明効果に対応したのがPDF1.4だよね」といった具合で、あまり評価していなかったのですが、実際には、PDF本を書き始めて検証していくと、5.0はDTPで使うにはたいへん完成されたバージョンであることを認識しました。

 ちょっと大げさですけど、「目から鱗が落ちた」といってもいいくらいですな。Acrobat 5.0は結構いけますよ。Acrobat 5.0を使いながら、自社で制作する印刷物はすべてPDFで行うようにしました。それは検証も兼ねてなんですが、使っていくと、「PDFで出力しても、全然問題ないじゃん」という感じですな。

 PDFというのは、ご存じのようにPostScriptファイルの進化形ですな。PostScriptファイルの不便なところを改善し、さらに機能を付加したものがPDFです。DTPの出力は、このPostScriptファイルで行っているわけですから、条件さえ満たせばPDFで行ってもまず問題ないはずです。

 そうはいっても、このPDFを確実に出力できるRIPの普及がそれほど進まなかったということもあるでしょう。いまだに古いLevel 2のRIPを使ってるところもあるでしょうから、フォントを埋め込んだPDFがDTPのアプリケーションのデータのようにどこででも出力できるわけではありませんな。

 ただね、DTPでの出力でもたくさんの「べからず集」があるじゃないですか。そういう「べからず集」を押さえることが、まあいえばノウハウですな。PDFで出力すれば、かなりの「べからず集」を減らすことができます。まあフォントがないとか、画像のリンクが切れているみたいなことはまずなくなりますな。それに半分はRIPの処理が終わったデータですから、PostScriptエラーみたいなものもほとんどないし、別のRIPで処理しても結果が変わることもあまり考えることはありませんな。正真正銘のワンリップ・マルチエンジンとはいかなくても、まあほとんど同じ結果が期待できますよ。

 あとは出力データの作り方さえしっかりしていたら、PDF出力対応したRIPからちゃんと出力できるPDFを作るのは簡単です。この「DTP実務者のためのAcrobat PDF活用ガイド」という本は、DTPがわかっているけど、DTPの出力で求められるPDFを作るためのガイド本というわけですな。DTPアプリケーションでの操作方法だけでなく、WordやAppleWorks、Mac OS Xについても言及し、幅広くPDFを捉えて解説してあります。

 基本は「DTPのレイアウトソフトの延長でPDFをつくる」というのが、「DTP実務者のためのAcrobat PDF活用ガイド」のテーマというわけです。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年06月号所収)

 

第23回1/4:カラーマッチングはデバイスプロファイルが命





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆デバイスプロファイルを使ってみよう:カラーマッチングはデバイスプロファイルが命1/4

 カラーマッチングの話が長くなりましたが、カラーマッチングでなにが足りないんだというと、これはもうカラープリンタのデバイスプロファイルなんですね。プリンタに割り当てるデバイスプロファイルが簡単に手に入らないことなんですね。

 Adobe製のアプリケーションでする簡単カラーマッチングでも、それを理解するためにはですね、みなさんの持っているカラープリンタにプロファイルを割り当てて出力してみればいいわけですね。そうすると本当に色が合うということがわかります。これはいくら話を聞いてもわかんないんですね。

 Adobe製のアプリケーションでは、出力時にプリンタのプロファイルを割り当てて簡単に出力することができるようになっています。その機能を使うと、印刷結果の色に近くなるようにCMYK値を変更して出力するわけですな。

 だからね、プリンタのICCプロファイルさえあれば、プリンタのカラーマッチングは簡単にできます。そこそこでもいいから、

カラーマッチングに使えるプロファイルが手軽に利用できれば、
カラーマッチングは簡単


なんですな。

 カラープリンタからカラーマッチングして出力したものを印刷サンプルとして渡したら、その通りの色で印刷されないとカラーマッチングなんて価値がないわけですな。しかしそれを理解するには、やってみないわからないというのが本当です。実は私も自分でなんどもプロファイルを使って出力してみて、やっと理解したというところです。どっちかというと「体で覚えた」みたいな感じですな。

 プロファイル作成サービスというものが最近は増えていますね。プリンタメーカーを中心にプロファイルを作成するサービスがあるんですが、たいていですね、自社のプリンタのプロファイルしか作らないんですよね。それはそれで仕方がないというのもわかりますけどね。そうなると、いま持っているカラープリンタのカラーマッチングってものすごく難しくなってしまうわけですよ。

 それとICCプロファイルの作成代というのは、けっこういい値段がします。高いとか安いとかは人によって価値基準が違うので、いえませんが、“手軽に”サービスを利用できる値段ではありませんね。本当に色が合うんだったら私なんか安い気もしますけどね。

cokormatch_100x142.jpg そういうわけで、前回紹介した「Adobeアプリケーションでする素材集のためのカラーマッチング読本」という小冊子に手を入れて、もうすこしわかりやすい本を作ろうと考えています(左:ACEアプリでするローコストカラーマッチング実践講座 プロファイル等は添付されていません)。オフセット印刷した見本とプロファイルを割り当てたカラープリンタの見本、そのまま出力したカラープリンタの見本などもセットして、その上、一般によく使われているであろうカラープリンタのICCプロファイルもCDに焼いて同梱しようと考えています。

 簡単に使えるプロファイルで出力してみて、その方法で得心がいったら、カラープリンタに合わせたプロファイルを作成するのが正しい道筋だと私は思いますな。プリンタ自身も固体差とか経年変化もありますから、より近いカラーにするには個別に作成するほうがいいわけです。

 それでもICCプロファイルの作成がネックになりますね。それについてはですね、プリンタメーカーを問わずICCプロファイルを作成してくれるところがありまして、そちらとタイアップしていこうかと考えています。

 いずれにしても、カラープリンタのデバイスプロファイルが手軽に使えるようになってこそ、DTPでのカラーマッチングは現実のものになると思いますね。またそこには、ひとつビジネスチャンスがあるのではないかと考えています。

 というわけで、みなさんも一度カラープリンタのデバイスプロファイルを使ってみませんか。QuickDrawプリンタもオーケーです。一度使うと、きっと病みつきになりますね。初めてカラープリンタの色と印刷の色が合ったときは、やっぱりね、感動ものですからね。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年05月号所収)


PS:かなり記事が古いので、カラーマネージメントについてはいまさらという感じですが、ご容赦下さい。当時、カラーマネージメントシステムは、「マネージメントしているからこれしかできんぞ」というような姿勢が感じられて

それは違うだろ、カラーマッチングのために
カラーマネージメントはあるんや


と思っていました。そういう気持ちを込めて書いたことを思い出しました。要するに、実用的でないカラーマネージメントシステムは要らないということですね。


 

第23回1/3:カラーマッチングはデバイスプロファイルが命





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆[カラー設定]を統一するのが一番簡単なカラーマッチング:カラーマッチングはデバイスプロファイルが命1/3

 それで印刷結果のCMYKをベースにした「もっと簡単で誰にでも使えるカラーマッチングはないのか」というと、ないことはありません。一部のアプリケーションの機能を使うと、これが簡単にできるようになりました。ただし、アプリケーションといっても限られるんですな。Adobe製のアプリケーションの新しいバージョンでしかできないわけです。誰しもが最新のバージョンを使っているわけではありませんからね、それはそれでネックなんですけどね。

 具体的に言うと、Photoshop 6.0以降の[カラー設定]があるでしょう。あの[カラー設定]がわかりやすいと言う人もいれば、以前のカラー設定の方がわかりやすいという人もいるでしょうが、あれと同じ

[カラー設定]を持つアプリケーションだと、簡単にカラーマッチングできる


わけですな。同じ[カラー設定]を使うと、同じ色になるというごく当たり前のことですけどね。

 [カラー設定]を共通にするとね、Photoshopで見た色と、それをIllustratorに貼り込んだときに見た色は同じ色で表示されます。もっもとIllustrator 9.0以降ですけどね。Acrobat 5.0でも、InDesign 2.0でもRGBとCMYKの作業スペース、そしてレンダリングインテントと変換方式などのマッチング方式を統一しておけば、それでモニタのカラーマッチングは簡単にできるようになりました。

 たとえば[カラー設定]でCMYKの作業スペースに「Japan Standard v2」を選択しておいてCMYK変換した画像は、コート紙でオフセット印刷したときの印刷結果を反映したカラーなので、同じカラー設定で見る限り、モニタでは印刷したときのカラーで表示するようになっているわけです。正確には、印刷結果のLab値を基準にそのLab値からRGBカラーを算出し、モニタに表示するわけです。つまり、印刷結果とモニタ表示のカラーマッチングを行うことができるのです。

 CMYKの作業スペースが「Japan Standard v2」が一番いいのかということはさておいて、印刷結果から作成されたプロファイルがあれば、その印刷結果のカラーをモニタに反映させることができるようになっています。

 この方法のネックは、プロファイルを埋め込んだEPS画像ですな。Illustrator 9.0に、プロファイルを埋め込んだり、ポストスクリプトカラー管理したEPS画像をリンクするでしょ、そうすると、その画像はIllustratorの[カラー設定]では管理できないわけです。

EPS画像に含まれたプロファイルにはアンタッチャブル

なんですな。それで、そのままとか、QuarkXPressに貼り込んだりしてPostScript 3のRIPに出力すると、EPS画像はCMYKではなくLabモードの画像として扱われるわけです。そのためRIP内部の画像はLabからCMYKに変換されて出力されるので色が変わってしまうということがあります。RIPによっては、それを回避できるRIPもあるようですが、できないものも少なくないようです。

 極論するとEPS画像を使わなければいいわけですな。もっともDTPでのリンク画像はEPSファイルが本家みたいなことになっていますから、いまさらEPSを使うなというのは難しいかもしれませんけどね。埋め込むか、JPEGやPSD、TIFFなどを使いましょう。これらはIllustratorではリンクしてもIllustrator EPSで保存すると、埋め込み画像になりますからね。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年05月号所収)

 

第23回1/2:カラーマッチングはデバイスプロファイルが命





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆印刷結果をベースにカラーマッチングを考えよう:カラーマッチングはデバイスプロファイルが命1/2

 カラーマッチングといっても、実はけっこう幅が広いわけですな。まあ、ターゲットによってやり方は変わってきます。モニタだけでいいのか、カラープリンタからの出力なのか、オフセット印刷を最終ターゲットにするのかでも、方法も違いますね。

 カラーマッチングの方法といっても、いろいろありまして、印刷のためのカラーマッチング方法に限っても、

RGBカラーからCMYKカラーに変えるとき行なうカラーマッチング
プリンタのキャリブレーション機能でカラーを調整する方法
RIP内のCRDを使う方法


などがあります。

 これらは概ねカラープリンタの出力をオフセット印刷のカラーに合わせるための方法ですな。ただし、出力デバイスに依存する方法なので、誰もができる方法ではありません。要するにそのカラープリンタだけで使えるカラーマッチングの方法というわけですな。

 こういったカラーマッチングの難点は、モニタのカラーマッチングが難しいということですな。いやいやPhotoshopに限るのであれば、かなり近いカラーを再現できるかもしれません。しかし、その画像をレイアウトソフトに貼り込んだとき、もうカラーマッチングなんてとても無理でしょう。EPSの場合はRGBに変換したプレビュー画像を貼るわけですから、モニタの表示は目安でしかありません。カラーマネージメントはEPS画像を支配できません。まあ、いまのInDesignはできますけどね。

 カラーマッチングする以上、モニタのカラーも合わせたいと思いませんか。モニタのカラーとカラープリンタの出力と最終のオフセット印刷の色がバッチリマッチングするのが、本当のカラーマッチングですな。

 オフセット印刷をベースと考えると、CMYK同士でカラーマッチングさせるのが一番いいように思いますな。オフセット印刷はCMYKのままで出力印刷して、カラープリンタでオフセット印刷のシミュレーションするのがベストだと私は思いますね。

 プリンタのキャリブレーション機能を使うのが、それに一番近いように思いますが、すべてのプリンタにキャリブレーション機能があるわけではありませんからね。汎用性という点では、厳しいものがありますな。

 CMYKから別のCMYKデバイスで出力するときにカラーの調整を正しくできれば、プリンタ同士であってもカラーマッチングはできるはずですね。いまのところ一番有力な方法はICCプロファイルを使う方法ですな。CMYK値をLabに置き換えて、それを別のCMYK─Labの変換テーブルを使ってカラーマッチングを行うものです。

 CMYKでLabを使うときの欠点は、墨版成分のコントロールができないことがあります。もともとLabには墨版成分などという概念はありませんから、仕方がないんですけどね。だからプロファイルを作成しても、ある程度の編集は必要になります。少なくとも墨ベタの文字がCMYKのかけ合わせにならないような配慮は必要でしょうけどね。

 あとは、最終出力のCMYKをモニタでそのままカラーマッチングして表示できればいいわけですな。そうすると、印刷したときのCMYKをすべての基準においたカラーマッチングが可能になります。つまりカラープリンタもモニタも印刷結果というアウトプットを基本にしてカラーマッチングを行うわけです。おそらくこれがもっとも正しいやり方だと私は思いますね。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年05月号所収)

 

第23回1/1:カラーマッチングはデバイスプロファイルが命





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆私はカラーマネージメント不要論者だった:カラーマッチングはデバイスプロファイルが命1/1

 私はカラーマネージメントついては不信感を持っていました。好きとか嫌いとかというレベルの話でいうと、まあ“嫌い”でした。

 だいたいカラーマネージメントの話っていうのは、理論から入るわけですね。マンセルの色座標とか、CIEのXY座標などをみせて解説するわけですな。XYの座標表にカラースペース重ねて、「このカラースペースで表現できるカラーはこの中のカラーです」なんて言われてもね、そういう色度図と、毎日睨めっこしているモニタや印刷物の色とどういう関係があるのかぜんぜんわかりませんよね。
 だいたいCIEなんて「国際照明委員会」ですよ、

印刷とは関係ないじゃん

と思わず突っ込みたくなりますな。もちろん、色は光の影響を大きく受けますから、「照明」は重要ですけどね。

 いちからカラーの基準を使うより、すでにあるカラーを管理する基準があるのであれば、それを使う方が便利でしょう、ということですな。それがCIEが標準になった理由でしょうか。CIEのカラー基準を使うのがよくないと言うわけではありませんけどね。XY座標にしても、Labにしても、わかりやすいカラースペースの表現方法だとは思えません。もっとも他に代わりがあるのかと聞かれても、私にはわかりませんけどね。

 それで、まず最初に確認したいんですが

DTPやってるときに必要なのはなにかというと
カラーマネージメントシステムじゃない


んですね。まあはっきり言って「システムはどうでもいい」んですな。方法論はどうでもいいんです。欲しいのは結果だけです。結果っていうのは、つまりカラーマッチングですな。要するに環境やメディアが違っても、同じような色にみえればいいわけです。

 そりゃ、「カラーマッチングするには理論も大事だ。カラーマネージメントの仕組みがわからないとカラーマッチングはできない」という意見もあるでしょう。まあそれは“正論”でしょうが、使う方にしたら、ややこしい理論がわからなくても、カラーマッチングできればいいわけですな。

 みなさんの家にもテレビの1台や2台あると思いますが、なぜテレビが映るのかなんて理屈を理解している人なんて世の中にほとんどいませんよ。もし、仕組みがわからなければテレビは観られないとしたら、こんなに普及するわけないわけですな。スイッチ入れて、チャンネルを切り換えるだけで使えるから、どの家庭にもテレビはあるわけですな。

 近年カラーマネージメントの技術は進化しているのに、「普及しないのはなぜだ」みたいな議論があるんですが、私なんかはカラーマネージメントが普及しないのは、やっばりね、複雑だからだと思いますな。カラーマネージメントするためにいろんなことを知っていなければならないとしたら、そりゃ関心が集まらないは当然でしょうな。要するに、理屈かわからなくても、バカチョンでできるインテリジェンスなCMSが必要なんです。

 もう一度いいますが大事なことは、カラーマネージメントシステムじゃないんです。「カラーマッチング」です。簡単な操作だけでカラーマッチングさせることができないと、カラーマネージメントの普及はあり得ないわけですな。操作さえ覚えて、正しく行えば、誰が操作してもアプリケーションが違ってもモニタの色もプリンタの色も印刷したときの色もほとんど同じカラーになるというカラーマネージメントの仕組みが必要なんですな。

 アプリケーションの操作だけでカラーマッチングができるとしたら、カラーマネージメントシステムというのは、完全に裏方さんに回るわけです。そうなってこそ初めてカラーマッチングはユーザーのものになるわけですな。

 だからね、「カラーマネージメント云々」を言っている間は、カラーマッチングはできないでしょうな。「こういう操作をすれば誰にでもカラーマッチングできます」という具体的な話にならないと、カラーマッチングは普及しないだろうと私は睨んでいます。

 もっとも本当のことをいうと、デバイスが変わると色を完全に合わせることは不可能なんです。だから、「カラーマッチングできる」って言えないんですね。マネージメントして、できるだけ近い色に近づけるシステムを提案するしかないというのが、本音でしょうな。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年05月号所収)

 
タグ:印刷会社

第22回1/4:素材集ビジネス、付加価値の付け方





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆素材集ビジネス、付加価値の付け方:ノウハウや使い方を付けて付加価値を高くするのだ1/4

 最後にもう一つ考えないといけないことがあるんじゃないかと、私は思っています。素材以外の別の面で付加価値を付けていきたい、ということがあります。どういうことかというと、素材集の使い方のノウハウに近いものを抱き合わせしたいと思っているわけです。
 去年の夏くらいから、パッケージをDVD仕様のものに変更しました。DVDのトールタイプのケースに変更したのです。トールタイプのケースもワーナーサイズのもとアマレーサイズのものがあるんですが、要するにパッケージを大きくしたわけです。
 大きくした理由というのは、一つには、ショップの店頭に並べるということを考えはじめていたことがあります。製品の内容を訴求する面積が大きい方がいいわけです。プラケースのようにサイズが小さいと収録している画像も満足に紹介できないわけです。ですから、大きい方がいいわけですな。
 もう一つの理由は、DVDケースの中には簡単な小冊子が入るということです。B6サイズより少し小さいくらいで背幅が4mmくらいのものまでだったら、中に入れることができるわけです。そういうところのスペースを活用して、

素材以外のコンテンツを提供していきたい

と思ったわけですな。
 そこで今回の素材集には付録の小冊子を付けることにしました。このために私は「Adobeアプリケーションでする素材集のためのカラーマッチング読本」という32ページばかりの本を書きました。
 この間まで私はカラーマネージメントは苦手でした。あんまり興味がなかった、というより嫌いでしたね。ところが最近アプリケーションで出力時にデバイスプロファイルを割り当てることができるようになり、かなり敷居が低くなっているように思うわけです。ですから、この1〜2ヶ月の間にかなり勉強して、自分で納得のいくまで出力実験を重ねましたな。その結果が「Adobeアプリケーションでする素材集のためのカラーマッチング読本」という小冊子なんですな。
 もちろんまだまだハードルはあるんですよ。なんといっても、デバイスプロファイルを持っていなければ、カラープリンタで色を合わせるのはできないので、カラーマネージメントのメリットが見えてこないんですな。しかしそれでもね、時代の流れは、ICCプロファイルを活用する方向に向かっているし、これからの普及はけっこう早いんではないかと思うわけです。
 Photoshop形式で素材を提供するとなったとき、要注意点がありました。それは画像モードがRGBということなんです。そうしないとCDに収まらないからなんですが、かつてはCGの画像をCMYK変換すると見るも無惨な色調に変換されてしまいましたので、CMYKで変換したものを提供していました。しかしね、これからはカラーマッチングを考えるとRGBの方がいいわけですな。少なくとも作業スペースを明らかにするということは必要だと思いますね。
 ICCプロファイルを使えば、PhotoshopとIllustratorやInDesign、Acrobatでのモニタのカラーマッチングは十分可能で、Illustrator 9.0やInDesign 2.0、Acrobat 5.0があれば、プリンタからカラーマッチングはそれほど難しくありませんよ。ただ単に素材集としてイメージを売るだけじゃなく、いろんな付加価値を見いだしていくことが、この戦国時代の素材集ビジネスで生き残る方法ではないとか思いますな。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年04月号所収)

 

 
タグ:印刷会社

第22回1/3:素材集ビジネス、付加価値の付け方





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆素材集ビジネス、付加価値の付け方:編集自在はレイヤー形式が本命1/3

 画像をロスレスにするのは時代の流れだと思いますが、それだけではちょっと物足りない気がしないでもありません。そこでもう一押し必要ですな。それで何をするのかというと、Photoshopレイヤーを含めた素材を提供しようということにしました。
 インクナブラの素材の大半はCGですが、背景があってその前面にオブジェクトが載っているものがおおいわけですな。もちろんバランスを見てデザイナーが配置しているわけですが、使う立場からいうと、素材をそのまま使うとは限りません。トリミングすることもあるし、その上に文字を乗せたりすることはあるわけですな。
 しかし一枚ものの画像では、やっぱり融通が利かないわけですな。オブジェクトを「すこし下に下げたい」とか「小さくしたい」とかありますよね。それができれば、思い通りのレイアウトになるのに、一枚物だから、それができないわけです。
 それをするには、Photoshopでレイヤー形式にするしかありません。レイヤーを保ったまま素材を提供すれば、ユーザーは、思い通りに加工編集ができるわけですな。
 むかしからね、「Photoshopレイヤー形式の素材集」というアイディアはありました。ありましたけど、実際には面倒ですよね。背景とオブジェクトの二つのレイヤーでも、CGのレンダリングを二回したうえ、こんどは前面のオブジェクトを切り抜かなくてはなりません。けっこう手間暇かかるわけですな。だから最初の頃の素材集は、Bryceのオリジナルデータを添付していたわけですが、現実にはすこし飛躍しすぎだったのかもしれません。
 そういうわけで、

レイヤーにしたら売れるんじゃないか


という気持ちは以前からありましたが、その手間を考えると、なかなか実行できなかったということがあります。
 それで実際にどうかというと、レイヤー形式のものは結構売れているようですな。ロスレスだけというより、何層ものレイヤーのままなので、カスタマイズしやすいことが受けているのだろうと思いますね。けっこう値段が張るんですが、これが売れているようですな。
 ええーとですね、売れているという話を聞いてレイヤー形式の素材を作り始めたのではなくて、そろそろそういうものをつくっていこうと企画していたときに、すでに先行しているメーカーがあったわけです。まあ、みなさん考えることは同じかもしれませんな。
 レイヤーにして作るにしても、3Dのレンダリングは早くなったし、Photoshop 5.5以降切り抜きは簡単になったし、「以前ほど手間はかからないぞ」という感じですな。
 それで今回は一つだけですが、「動かす地球」というタイトルで、レイヤーを保ったままの素材をつくりました。A3ノビにして、レイヤーにして、ロスレスのPhotoshop形式で保存して、「これでどうだ」とちょっと思っていますけど、とりあえず今年はこの路線で、いままで作ったものを見直して、レイヤー形式のものをバンバン出していこうかと密かに思っておりますな。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年04月号所収)

 
タグ:印刷会社

第22回1/2:素材集ビジネス、付加価値の付け方





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆素材集ビジネス、付加価値の付け方:“ロッシー”な圧縮画像はもういらない1/2

 さて、インクナブラとしてはどうすればいいのか。どうすれば売れる素材集をつくることができるのか、というテーマにですな、真剣に取り組まねばなりません。そうしないと生き残れないということがはっきりしてきました。
 まず最初に考えたのは、圧縮画像はやめようということですな。圧縮画像といってもいろんな方式がありますが、一般的には“JPEG”という方式で圧縮します。JPEGのいいところは、画質は劣化しますが、圧縮率が極めて高いということです。正確にはJPEGの規格の中には画質の劣化しない圧縮方法もあるんですが、一般的にはJPEGというのは不可逆圧縮という、画質に損失が生じもとに戻せない方法のことをいいます。
 DTPの初期の頃は「画質が劣化する圧縮方法は悪だ」みたいな固定概念がありまして、なかなか普及しなかったのですが、ファイルサイズが小さくなることや、出力時間が短縮されることもあって、瞬く間に普及しました。やっぱり使ってみると便利なので、「画質が劣化する圧縮方法は悪だ」みたいな話はいつのまにかなくなっちゃったんですな。
 たしかにJPEGは不可逆の“ロッシー”な圧縮方法なんですけどね、最高画質で一回ぐらいだったら、印刷してももう全然見分けが付かないわけです。そりゃルーペでエッジの部分を拡大してみれば、画質の多少の荒れはわかるかもしれませんが、普通のひとはそこまで気にしませんしね。だいたい印刷物にそういう高度な品質を要求するものは、ごくごく限られているわけですな。だれもが美術書を印刷しているわけじゃないんですからね。
 そういうわけで、素材集の画像はたいていがJPEGで圧縮されています。たとえ圧縮して画質が劣化しても、一枚のCDにたくさんの画像を入れる方がいいだろうということですな。
 普通に使う分にはJPEGでもそんなに問題がありませんね。ただ問題なのは、JPEG圧縮をなんども繰り返すことですな。なんども圧縮率を変えたりして保存すると、画質の劣化が大きくなります。画質の劣化には、“モスキートノイズ”というのと“ブロックノイズ”というのがあり、どちらが目立つのかは画像によって違いますが、圧縮の方法を変えて再圧縮を行うと、どんどんとノイズが増えていきます。おなじJPEGでも圧縮のアルゴリズムが違うと、同じ圧縮率で圧縮してもノイズがきわめて大きくなることもあります。
 最近は出力用フォーマットとしてPDFで出力するでしょう。そうすると、

圧縮はPDF作成時に一回だけしたい

んですな。EPSのJPEGエンコーディングした画像をレイアウトソフトに貼り込んで、Distillerでもう一度JPEGで圧縮すると、どのくらい画質が劣化するのかはちょっとわかんないですな。
 ハードディスクも何十GBのものを使うのが普通になってきたし、画像は“バイナリのEPS”で貼り込んでも、そんなには辛くないかもしれません。RIPもネットワークも高速になったから、必ずしも圧縮しなくてもいいように思いますな。
 ただし“ロスレス”で保存すれば、やはりファイルサイズがきわめて大きくなります。だから1枚のCDにはたくさん入りません。しかしそうはいっても、「メディアはDVDか」というと、まだちょっと早いような感じですな。なんといっても、CDドライブのインストールベースの大きさを考えると、まだまだCDでいいように思いますな。
 それでCD2枚組ということにしました。それでもそんなにたくさん入んないですけどね。でもね、マルチビッツ・イメージ編のカタログに掲載しても、そんなにたくさんの画像は載らないですからね。画像を多くすればいいってわけじゃないんですな。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年04月号所収)

 

第21回1/4:PDFの面付けテンプレートというコンテンツを売る





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆一つのコンテンツをいくつもの方法で売ろう:PDFの面付けテンプレートというコンテンツを売る1/4

 考えてみると、昨年1年間はプリンタで出版するノウハウを構築するのがテーマでした。そのわりには発行した本の数は多くありませんが、技術的な手法というは確立できたと思っています。
 そのノウハウをね、自社で出版するということだけに使うのではなくて、別の活用方法はないかと模索した結果が『自動処理できるPDF面付けの素』なんだろうと思っています。
 これだって“ワンソース・マルチユース”だと思いますよ。正確には“ワンノウハウ・マルチユース”かもしれませんけどね。
 そういうことをこの記事では何度も書いているように思いますが、書くだけではなくそれをやってみるということが非常に大事なんですな。みなさんも、

「ホウホウ」など読んでいるだけではなく、実行せなあきまへんで。

 これからの商売というのがどこに向かっていくのかというのはなんともいえない部分がありますが、まあでもね、どちらかというと、“コンテンツビジネス”ではないかなと思っているのです。
 コンテンツというのは目次のことじゃありませんよ。中身のことですからね。コンテンツの特徴はなにかというと、誰かが真似できないものということですよ。ハリーポッターが売れたから、似たような小説をかいたらそれもまた売れるかというと、そんなことはないですよ。まあ、多少は売れるでしょうけどね。少なくともダミーは所詮ダミー、ハリポタの足下には遥かに及ばないわけですな。ハリーポッターの前にも後ろにもハリーポッターしかいないわけですな。
 商売のやり方っていうのは、どうでしょうか。やっぱり真似できますよね。というより真似することだけを考えている人たちもいっぱいいるわけです。「儲かる商売があれば真似したい」とね。自分で考え試行錯誤して儲かる方法を見つけだすより、もう儲かっているものを真似する方が効率がいいわけです。
 いくら儲かる商売があっても、その真似をする同業者がたくさんいれば、すぐに儲からなくなります。もちろん競争は必要なんです。競争なきところに進歩はないわけですな。しかし、競争だけでもダメなんですね。競争だけしていたら、いつかはひからびてしまいますな。
 競争しないためには“独占”するしかないということがありますが、“独占”というのは、その人しかできないこと、その会社でしかできないことですな。そういうものが必要になります。
 コンテンツというのは、まあ著作物みたいなものです。他にはないわけです。その他にないものに値段がつけば、競争のくびきから逃れることができますな。もちろんコンテンツを値段を付けるのは簡単ではないかもしれませんよ。しかし、それができたときには、コンテンツ自体が商売になります
 PDFの面付けテンプレートというのが単なる面付けを手軽にする“ソリューション”だったら、なかなか商売にならないような気がします。そうではなく、そのノウハウという“コンテンツ”を買って貰うというスタンスで取り組んでいくべきではないかと思うわけです。
 私はプリンタ使って培ったノウハウで本を作って売り、そのノウハウを本に書いて売り、ノウハウのテンプレートを売り、そしてそれをここで原稿に書いて売っているわけですな。そうやって一つのノウハウをいくつもの方法で収入に変えていく姿勢がいまは必要なんだと思いますな。そう、貪欲にね。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年03月号所収)

第21回1/3:PDFの面付けテンプレートというコンテンツを売る





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆大事なのはなにができるのかなのです:PDFの面付けテンプレートというコンテンツを売る1/3

 さて、本当はこういう製品は、もっとスマートにプログラミングしてつくればいいんでしょうけど、しかし必ずしもアプリケーションソフトもしくはプラグインソフトにこだわる必要はないと思いますな。
 求められているものは、プログラムされたソフトウエアではないんですな。私たちの作業をラクにするものやコストを引き下げるものが必要なのであって、その形態がパソコンではプログラミングされたソフトウエアなわけです。
 本当に求められるものであれば、どんな形のものであっていいと思っています。役に立つのかどうか、ということが一番の大事なことでしょう。
 たしかにプログラムというのは、誰彼でもできるものではありませんから、簡単に真似はできないでしょう。といっても、できる人が少ないだけであって、中身を解析すれば、真似してつくることはできるわけです。なぜ真似されないのかというと、プログラミングが難しいからではなく、著作権法で保護されているからですな。
 ただね、いくらプログラムされたソフトウェアが著作権法で護られていても、販売する価格に見合う価値がなければ、つまり生産性を上げたり、いままでできなかったことができないのであれば、製品にはならないわけです。
 大事なことは

売値に見合うだけの価値があるのか

ということであって、必ずしプログラミングされたソフトウエアである必要はないでしょう。
 この『自動処理できるPDF面付けの素』は、はっきり言えばただのテンプレートですが、同時に“テンプレートの使い方”というノウハウを販売しているところが少なからずあるだろうと思っています。ノウハウを売るなんていったら、なんかコンサルタントみたいですけどね、まあそこまではいかないにしても、『自動処理できるPDF面付けの素』というのは、これを使いながらPDFとInDesignの使い方を学んでいくというような製品ですな。少し偉そうにいうと「教導」していくわけですな。
 そりゃね、「InDesignで面付けできるよ」っていってWebでそのノウハウを全て公開したら、感謝されるかもしれないけど、感謝されるだけでは喰っていけないという現実もあるわけですな。人はパンのみで生きているわけではないけど、パンも必要なわけですな。
 それと、タダのものは、所詮それなりの評価しか受けないということもありますな。本当に優れたフリーウェアがあっても、値段が付いていなければ、やっぱり世の中の人は「よくできたフリーウェア」としか見ないわけですな。シェアウェアだって、それより機能の劣るソフトウエアがパッケージに入って販売されていたらいたら、「そちらの方が高機能かな」と思ってしまうこともあるわけでしょ。
 それと、機能の善し悪しだけでなく、ソフトウエアの販売というものには、サポートも含まれています。機能がすこしぐらい劣っていても、ちゃんと使えるように対応するという部分にお金が払われているわけですな。そう考えると、何ができるのかということも大事ですか、それを実現するためにどこまで面倒を見るのかということもあって、実はそちらの方が「ウエイトが高いのではないか」と私は最近感じています。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年03月号所収)


第21回1/2:PDFの面付けテンプレートというコンテンツを売る





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆DTPは小学生でもできなくてはならないのだ:PDFの面付けテンプレートというコンテンツを売る1/2

 なんでこんなもの(面付けのテンプレート)をつくっているのかというと、やっぱりDTPというのは、もっともっと簡単であるべきだということですな。DTPでつくったドキュメントを出力するのに「いろんなことに注意しなければ出力できない」っていうのは、やっばりウソですよ。間違っています
 自動車はかつてマニュアル運転しかありませんでした。自動車の速度か変わるときや登り坂や下り坂で、ギアをいちいち変更するためにクラッチを踏んでギアを変えていましたよね。ところがいまではほとんどの自動車はオートマチックですな。アクセルとブレーキだけ踏めばいいわけです。ギアはドライブだけ。マニュアルよりオートマの方が便利で、誰でも運転できるわけですよ。もっもとその分だけ、ドライバーが増え、車も増えてしまいましたけどね。
 でもね、オートマの方が便利だから、自動車はオートマが標準になったわけですな。世の中は便利なものがあると、水が低きに流れるように、便利なものに向かっていくわけです。
 DTPだって、同じだとは思いませんか。オートマのように簡単に運転できるようになれば、もっともっと普及するはずですよ。マニュアル運転って、エンジンの回転数とエンジン音を体で覚えてクラッチ踏むわけでしょう。それってどちらかといえば、職人の世界に近いものですよ。まあ職人というほどのものじゃないですけどね。
 DTPだって、出力に職人技はいらない時代になっていくのは当然の帰結でしょう。DTPで一番ややこしいのはフォントの問題で、次にファイルのリンクの問題でしょうかね。そういう問題をクリアにすれば、誰にだって高品位なDTPはできるはずですな。
 PDFにすれば、本当はそういう問題はかなりクリアになるわけです。PDFの出力環境という意味では、かなり整ってきましたからね。もう出力できるとか出力できないとかいう話はほとんどないわけです。問題はね、

PDFで出力したら儲かるのか


ということですな。いやいやほんと、それだけです(と断言しておきましょう)。
 アプリケーションドキュメントを貰うより、PDFで貰う方が便利でお互いに手間がかからないということがはっきりすればいいわけです。
 出力側からというと、そのまま出力できるものがあればラクですな。そのまま出力するというのは、面付け割付けの済んだファイルですな。どういうことかというと、刷版でするべきことが終わっているということです。そうなると印刷するだけでいいわけです。
 ユーザー側からいうと、面付け代がいらなくなると安くあがります。私なんかほとんど端物の仕事が多かったので、製本しなければならないものはDTPになってからあまりやっていません(プリンタ本は別にして)が、いざDTPになって、「面付けフィーいるのかー」などと心の中で思ってしまいますな。
 製版の時代は面付け料金は「つっこみ」でした。丼勘定で原価の詳細なんて関係ないのが製版の時代だったのです。しかしDTPになって、価格がオープンなになり、面付け代にも別途費用がかかるようになりました。
 数百円といえども面付け代がいるのだったら、「自分で面付けしてしまおう」という発想もあるでしょう。DTPだとそれができるからです。Illustratorで作成した大台紙にEPSファイルを面付けして出力することも可能ですからね。だからね、面付け代を払わなくても済むのであれば、結構ありがたいと感じる人は少なくないように思いますね。
 印刷用のDTPがね、刷版寸前まで簡単にできれば、DTPというのはもっと手軽なものになると思いませんか。なると思いますよ。いやいやそうならなければならないでしょう。やはりね、小学生でも手順さえ覚えれば、CTP出力用にデータが作れるようになるのが、DTP本来の姿ではないでしょうかねぇ。
(工学社 Professional DTP誌 2002年03月号所収)

第20回1/4:Webでものを売るための条件とは





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆有益な使い方を教えるとものは売れるのだ:Webでものを売るための条件とは1/4

 私はWebではDTPアプリケーションTipsのようなことを書いていますが、以前あるDTP関係の出力用ソフトウエアの紹介をしたことがあります。そのソフトを売るためじゃなくて、使うと結構便利なので、かなり詳しく解説しました。
 そしたらですね、それでそのソフトが結構売れたらしいと聞きました。私が書いたからだけじゃないと思いますが、多少は影響したようですな。私のページの内容を読んで買ったという人がいたんですな。
 すこし前に読んだ本に、こういう話が載っていました。どうしても結婚しなければならなくなった男性がいました。そしてその男性は、二人の女性のうちからどうしても一人を選択しなければならなくなったとしますね。二人とも会ったことのない女性だとして、一人は履歴書程度の紹介しかなく、もう一人は自分の生い立ちから考え方まで、ノートにびっしり書いてきたとします。あなたなら、どちらを選びますか、という話です。
 どうしてもどちらかを選択しなければならないとなったら、よく知っている方を選択するのではないでしょうかねぇと、その本には書いてありました。多分そうでしょうね。そりゃ、ノートに自分のことを詳細に書き記してきた方が、親近感があるのは当然でしょうな。
 だから、ものを買うときも同じで、そのものの中身をよく知っているのであれば、買いやすいはずです。ただし、知っているだけではダメですよ。DTPで使うものは、“欲しい”ものではありませんな。仕事で使うわけですから、当然“役に立つ”ものでなければならないわけですよ。DTPでなくても、業務用のものは“役に立つ”のでなければ価値がありません。
 自分の

仕事がラクになる
作業が簡単になる
コストが下がる


とか、そういう“有用”かつ“有益”でなければならないわけですな。ソフトの機能がどれほど優れていたって、それが本当に役に立つものでなければ、どうしようもないわけです。
 でもね、役に立つかどうかは、カタログを見たってわからないわけですよ。メーカーもしくはベンダーがいう使い方だけに価値を見いだす人はもう買っているはずですから、そうでない人にも買って貰うには、それ以外の使い方を教えてあげる必要があるわけです。
 また、実際に使ってみたときの便利な点や不便な点などを知っていれば、買うときのハードルは低くなっていくわけです。多少不便な点があっても、それ以上の価値があることを知れば、買う人はいるはずですな。
 次回はただ単に有益な使い方をアップするだけでなく、それど同時にそのソフトウェアも販売したいと思っています。使い方は本にして抱き合わせるということにします。そうすると、他の販売店と差別化できますからね。
 本音を言うと、たとえ一冊の本を書くくらいの労力がかかっても、単価の高い製品でマージンがあれば十分利益がでると考えています。本を書いても得る収入よりも、おそらく、そのほうが儲かるような気がしますな。
 「有益な使い方を教える」いうのは、実は小売りの原点だと私は思いますな。Webで小売りをするのであれば、いつでも閲覧できるWebサイトに、どのくらい“有用”で“有益”な情報をオファーできるのかということが決めてではないでしょうか。
 今年こそは、自分作って自分で売るだけでなく、仕入れてきたものを使い方を提案して売るノウハウを身につけていきたいと思っています。もっともFireWireのハードディスクケースを、もう一度売るかどうかはわかりませんけどね。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年02月号所収)

 

第20回1/3:Webでものを売るための条件とは





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆バーゲンしても売れないものは売れない:Webでものを売るための条件とは1/3

 このあいだ、私がWebで販売している素材集や本をバーゲンしました。「ご皇孫ご生誕記念」としてバーゲンをかけたわけです。
 本を作って売ろうとしたとき、書籍流通に流すことに魅力を感じなかったのは、価格も含めた販売方法が模索できないことがあったわけですな。値段を下げて期間限定で販売したとき、どのくらいレスポンスがあるのか私にしても興味があります。もちろんバーゲンはあんまり頻繁にやると価値がなくなってしまうので、滅多にはできませんけどね。
 本の方はですね、まあ、そこそこレスポンスがありました。そりゃ、私のページを見に来て、そこでメールマガジンを購読している人たちにむけてバーゲンの告知を行ったわけですから、当然関心度は高いわけですな。
 しかし、素材集のほうのレスポンスはほぼ全滅でしたな。もうぜんぜんレスポンスがありません。残念ですけどね、本当だから仕方がない。まあ、私のメールマガジンを購読しているひとと素材集を使っている人とでは、ちょっと違うんでしょうな、住んでる世界がね。
 本当はね、素材集に関心を持っている人たちを集めてメールマガジンを発行して、その購読者にむけてバーゲンの告知をすべきなのでしょうな。もっとも、どういうテーマのメールマガジンだったら、そういう人たちを集めることができるのかは、私にとっても謎ですけどね。
 もともと素材集は「安ければ買う」というものではないわけですな。印刷物を作ることになって、そこで素材集が必要になったとき、必要な素材を探すわけです。デザイナーなり印刷会社が受注を見込んで売上になれば、その素材集の費用はコストとしてカウントできるわけですな。
 だから重要なのは、「安い」かどうかではなく、「コスト」として転嫁できるかどうかということなわけですな。必要なときに必要な素材を探せるということが重要であって、値段はその次なのでしょう。だからミスミのような通販カタログなんかで、メーカー縦断的に閲覧して探すか、ショップの店頭で実物を見て買うほうがいいわけですな。
 安い素材は広く使われていて、「手あかが付いている」可能性が高いわけですが、高い素材はほとんど使われておらず「露出していない」可能性が高いので、高価な素材の方がいいこともあるわけです。
 広告代理店が派手なキャンペーンでメインビジュアルとして使うときは、その素材の使用履歴が重要になります。同業他社で過去に使ったことのある素材やモデルは使えませんから、多少高くても履歴のはっきりしたリースポジを使うことが多いようです。もっと最近はリースポジを借りてきても使わず、同じようなデザインをデザイナーにさせることもあるようですけどね。
 さて、安く売るという販売方法は、大量にものを売るときに採用する一つの方法です。大量にものを売らない会社は、バーゲンして安く売ってはいけないんですな。安く売るんではなく、

高く売るための工夫をして、それなりの値段で売る

のが私は正解だと思っています。
 念のためにいっておきますが、“不当”に高く売るといっているわけじゃありませんよ、付加価値をつけて“正当”に高く売るべきだといっているんです。
 いまの時代、いらないのはただでもいらないわけですよ。そうでしょう。ものは溢れていて置く場所さえないんだから。
 だけど人は、欲しいものがあれば、多少高くても買うわけですよ。なんであんなブランドものバックが、何十万円もするのか私には理解できませんが、それでもそのバックを欲しい人はたくさんいて、お目当てのバックを買えないことも珍しくないわけですな。まあブランドイメージだって付加価値の一つですけどね。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年02月号所収)
 

第20回1/2:Webでものを売るための条件とは





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


使い方を解説して売るのはどうだ:Webでものを売るための条件とは1/2

 ただ単にハードディスクケースを売っても仕方がないので、使い方を紹介して売ることにしました。といってもハードディスクの使い方にそんなに工夫の余地はありそうもないですな。
 ちょうどそのころ、PowerBookのハードディスクがクラッシュするというとんでもない事件が起きました。ハードディスクの容量が足らなくなってきたので、2.5インチ内蔵ハードディスクを交換しようと思っていた矢先でしたね。
 ハードディスクの方が捨てられるのに気がついたのでしょうかねぇ。捨てられる前に先に自殺を図ったんではないかと、思うようなタイミングでした。いまさら、6GB程度の容量のハードディスクは使うことがありませんからね。
 “万事休す”というわけですが、クラッシュしたハードディスクをそのまま諦めることはできませんよね。ディスク回復ソフトを調達してきて、生きているデータだけでも取り出さねばなりません。ほとんどのファイルはPowerBookに入れてあったりするので、もう何とかするしかありませんな。
 とりあえずハードディスクを取り外して、デスクトップのMacintoshに2.5インチを3.5インチに変換する変換ブラケットをつないで復旧ソフトで認識させると、なんとかマウントはできました。ただし、データの一部はできないものがありました。比較的新しいデータはほとんど認識できなかったのです。まあでも、大半は救われたので、“不幸中の幸い”というべきでしょうな。
 誰しもが

ハードディスクのバックアップは必要だと思いつつも、
なかなか実行できないのがバックアップ


でしょう。賢明なあなたは、もうバックアップはバッチリかもしれませんけどね。
 というわけで、フリーのバックアップソフトを使って、FireWireのハードディスクにつないで内蔵ハードディスクをバックアップするという内容を思いつきました。たんにハードディスクを売るのではなく、バックアップの方法も紹介しつつ、それに抱き合わせてハードディスクケースを売るわけです。ハードディスクケースだけだと利幅が少ないので、中身のハードディスクも買ってきて売ろうと思っていましたな。
 バックアップはMac OS 9から標準でバンドルされたコントロールパネル「ファイル・シンクロナイズ」を使って、そのバックアップの方法を説明しようと思っていまた。ところがどっこい、この「ファイル・シンクロナイズ」、大容量のデータをシンクロさせようとすると、メモリが足らなくなって動作しないことがよくあるのです。「メモリが足らない」ってアラートがでるんですが、メモリの割り当てを増やしても同じなんですな。
 いまどき内蔵ハードディスクの容量は40GBとか60GBとかは珍しくないわけで、数GBでハングアップしてしまうとなると、「ファイル・シンクロナイズ」はボリュームのバックアップには使えそうもありません。
 つぎに、フリーウェアのバックアップソフトを探して、それを使うということを考えました。フリーウェアにも優れたバックアップソフトがあるんですな。ただしそれを使うとなると、また動作の検証が必要になるし、作者の方に了解を得なければならないことになります。
 なんだかんだとしているうちに、別のことで忙しくなり、結局このハードディスクケースを売るというアイディアは頓挫してしまいました。一応簡単な解説のページと申込フォームまで作ったんですけどね。
 やる気がしぼんでいったのは、やはり、利幅が思ったより小さいので、よしんばそれなりに売れたとしてもたいして儲からないような気がしたのが、本音だろうと思いますな。手間暇かけて努力して、その割には儲からないとしたら、それをやるメリットはあまりなんいではないかと頭の中のどこかに、モコモコとわき上がってきますな。そういう気持ちが大きくなっていつたのが、挫折した原因でしょうな。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年02月号所収)

 

第20回1/1:Webでものを売るための条件とは





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆FireWireのハードディスクケースを売りたい:Webでものを売るための条件とは1/1

 FireWireUSBなどの新しいインターフェースも、もう当たり前になりつつあります。DTPなどをしていると、高速にデータ転送できて、なおかつホットプラグで抜き差し自在のFireWireはありがたいものです。
 現在のFireWireのデータ転送は、スペック値で400Mbpsですから、1秒間に50MBのデータ転送ができることになっています。もちろん理論値ですからね、デバイスからデバイスにデータを転送したときは、そんなには早くないわけですな。
 たとえば、Macintosh内蔵ハードディスクから、外付けのFireWireのハードディスクに画像ファイルをコピーすると、まあ、1秒間に5MBくらいですかね。内蔵のハードディスクからデータを読み込んで、それをFireWireのプロトコルに変換して、それをまたFireWireハードディスクがATAのハードディスクに書き込む仕様に変換して書き込んでいくわけですから、理論値の10分の1程度であっても、そんなものかもしれませんな。
 最近の外付けのデバイスは、FireWireとUSBの両方で使えるものが増えてきていて、そのうちUSBは2.0にアップするようになるかもしれません。そうなると、たいていの環境で高速書き込みして接続できるようになるでしょうな。
 私も最近使っている外付けのハードディスクは全部FireWireです。ただ、FireWireのハードディスクを使うときに思ったのは、ハードディスクの機種やメーカーが違うと、デバイスドライバが別にいるんですね。
 ハードディスクを駆動するエンジンと言うより、おそらく、ATAのハードディスクをFireWireに変換するブリッヂチップの仕様が異なっているので、それに対応するのに、機種ごとにデバイスドライバが必要になるわけですな。
 デバイスドライバというのは要するに機能拡張書類なんですが、これがハードディスクの機種ごとに違っているわけです。何種類ものFireWireハードディスクを使っていると全部のデバイスドライバをインストールしなくちゃいけないわけで、まあ正直言って面倒ですな。
 だから、FireWireのハードディスクは機種を絞った方がいいわけですが、なんといっても新しい製品が続々と現れますからね。新しい方が安いわけで、機種を絞るのは現実には難しいわけですな。
 そこで、

FireWireのハードディスクケース

だけを買ってきて、そこに内蔵のハードディスクを入れて使うことにしました。この方法だと、同じハードディスクケースを使えば、何台ハードディスクがあっても、1種類のデバイスドライバだけですむわけです。何台のMacintoshがあっても、1種類だけインストールしておけば、ハードディスクを共有できることになります。
 これは結構便利ですな。私のところにはAppleShare IPファイルサーバもありますが、面倒なときは、ファイルサーバを使わないでハードディスクでデータのやりとりをします。外付けFireWireハードディスクにデータをコピーして、ハードディスクをつなぎ変えるわけです。
 使っているとなかなか便利なので、このFireWireの外付けハードディスクを、Webで売ろうとしたことがあります。かれこれ一年近く前のことですけどね。
 ただし、ただ単に私のWebページにハードディスクケースの画像をアップして「ハードディスクケース売ります」なんてしても売れるかどうかはなんともいえません。逆の立場だったら買うかというと、やっぱり店で製品をみてから買うような気がしましたけどね。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年02月号所収)

 

第19回1/4:PDFマガジンで一番になる





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆PDFマガジンはB toBで広告主体でつくる:PDFマガジンで一番になる1/4

 PDFでマガジンを作って、どうやって収益を上げるのか、という、まあ、一番大事な話をしないわけにはいけませんな。
 まず、PDFそのものを売るという方法があります。最近は“eBook”などのコンテンツそのものを販売する手法がもてはやされていまして、B to Cでは一つのあり方かもしれませんが、この場合は、コンテンツを作る能力ではなく、コンテンツを集めることが鍵になります。この場合は、自分で作っていたらどうしようもないと思いますね。
 もう一つは、

PDFマガジンをメディアにしてしまう方法

です。この場合は当然広告を取って、成り立つようにするわけです。印刷コストも物流コストもかかりませんから、普通の雑誌より安い広告代で成り立つようにすることができますな。
 広告といっても、いまある雑誌のようにページ広告を主体とするより、記事広告が主体になるのではないかと思ったりします。また、広告でもバナー形式にして、全部のページにバナーを貼るということもできるはずです。読み物半分、記事広告半分とという構成かな、と思ったりもします。
 もちろんPDFですから、印刷して本にして販売もすべきでしょう。印刷する場合でも、あらかじめオーダーとって必要な分だけ印刷することができますし、PDFマガジンのバックナンバーは有料にしてもいいと思いますね。
 それでどんなPDFマガジンを作るかというと、まず最初に考えられるのは、企業向けの情報誌でしょうな。カテゴリーを絞って企業が購読したくなるような内容でコンテンツを作るわけです。もっといえば、あなたのお客さんの中から、そのお客さんのクライアントを想定しましてね、そのクライアントだったら広告を出すのではないかとという内容で雑誌を企画するのが一番早道でしょう。
 大企業だったら、マスメディアの広告代に比べれば、PDFマガジンの広告代はごくごくわずかな広告代だし、中小企業にとっても、それほど大きな金額ではありませんよ。Webサイトのバナー広告だったら、そのときだけですが、PDFだったら、時間がたっても広告をみてもらえる可能性は多くなります。ですから、考えようによっては、広告代としては、コストパフォーマンスは高いと私は思いますな。もっとも、それが広告として効果があると認めて貰うまでには時間がかかるかもしれませんけどね。
 本当に役に立つ記事が載っていれば、ダウンロードする人はきっといます。たくさんいるでしょう。しかもタダだったら、一ヶ月で何千、何万のダウンロードは不可能ではないと思いますよ。もし、それで何千、何万のPDFマガジンのダウンロードを証明できたら、広告代理店に依頼して、広告を取ってきて貰えばいいわけです。
 PDFをマガジンにして配布するという試みは、いまだあまりされていません。私にしても時期尚早だったのかもしれませんな。でもね、いまからWebサイトで一番になるのは難しいけれど、PDFマガジンだっら、一番になれる可能性は結構大きいと思いますね。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年01月号所収)

 

第19回1/3:PDFマガジンで一番になる





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆全文検索の普及がターニングポイントになる:PDFマガジンで一番になる1/3

 私がPDFでマガジンを作ろうとしたときに、広告のことを考えなかったかというと、必ずしもそうではありませんでした。広告をいずれ入れたいと思っていたわけです。残念ながら、そこに至るまではいかずに、中断してしまったわけですな。
 ただ、PDFマガジンを作っていて思ったことは、発行部数については、書店で買う雑誌に比べると、無限大に発行部数が増える可能性はありますね。
 いやいや、そりゃ嘘ですけどね。可能性だけですよ。でもね、ダウンロードするだけで手に入る雑誌だったら、中身さえ面白かったら、読む人は増えるはずです。
 PDFにするメリットは、仮想の図書館ができることですね。スペースなしの図書館ですな。ハードディスクだけあればいいわけです。
 たしかにWebの情報は検索サイトにいって検索すれば、膨大な情報が一網打尽にできるわけですな。それにAcrobatWeb Captureを使えば、Webページだって下の階層もたどってPDFにできるわけです。しかし、検索サイトで検索すると、関係のない情報もけっこう検索されてしまうことが少なくありませんな。また、Web Captureもね、結構面倒くさいというのはあると思いますね。
 本当はね、書籍として販売されているものでも、

全部PDFにして、全文検索したい

と思うわけです。思いませんか。そうするとね、キーワードだけで検索できちゃうわけですな。
 全文検索というのは、最初にインデックスを作成して、そのインデックスを使って検索するわけです。ですから、検索が早いんですね。Acrobatに標準で付いている検索機能があるでしょう。あれは、PDF内部のテキストを順番に調べていきます。だからね、Acrobatの「ACROHELP.PDF」ですら検索すると、居眠りしてしまうほどの時間がかかってしまうわけですな。しかも、一つのPDFファイルの内部しか検索できません。
 CD-ROMなんかにPDFをいれて配布したり販売したりすると、たいてい全文検索の機能が付いていますよね。あの機能は、複数のPDFファイル一括して検索できたりするわけです。まあでも、こういう機能は、もちろん別途でお金がかかります。まあ、最低でも何十万円はかかるでしょうな(Acrobat 6.0 Professional以降は標準でインデックス作成機能がある)。
 わかりやすく言うと、Mac OSの「Sherlock」みたいなものです。あれは、テキストファイルをインデックス化して、テキストの内容を解析するのが目的なんですが、たいていはテキストファイルもしくはファイル名の検索に使われていますな。あれだって、テキストファイルの中身を検索するには、[ボリュームの索引作成]でインデックスを作成しなければならないわけです。私なんかは、オフにしていますけど。
 たとえばSherlockがね、PDFの内部をちゃんと読みにいって、索引を作成してくれれば、それで、自家製のPDF図書館ができるわけです。PDFのおいてあるボリュームをサーバにして、それだけに[ボリュームの索引作成]をかけるだけだと、それほど手間はかからないしね。もちろん、PDFの全文検索機能はMacintoshでなくても、Windowsでもかまわないわけですけどね。
 だから、PDFでドキュメントをため込んでも、簡単にすべてのPDF内のテキスト検索する機能がないと、価値が下がってしまうということは否定できませんな。
 いまは、手軽にできるPDF全文検索ソフトはありませんけど、もうじき現れるでしょう。私はそれを待っています。それができたら、PDFをダウンロードしても、有効に活用できるはずですな。
 だからね、もう少しすると欲しいドキュメントは、PDFでダウンロードしてため込んでおき、必要になれば、検索して使うという使い方が増えてくるんではないかと思うわけですな。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年01月号所収)

 

第19回1/2:PDFマガジンで一番になる





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆広告代で成り立つ雑誌:PDFマガジンで一番になる1/2

 残念ながら、このPDFマガジンは1年程度で終わってしまいました。やっぱりね、毎月レイアウトを続けるのはたいへんだったというのが本当のところでしょうかねぇ。直接、商売にならないのも大きな要因の一つでしょうな。
 世の中にある雑誌ビジネスモデルを考えてみましょう。ビジネスモデルといってもね、雑誌の収益構造ですな。
 印刷物として雑誌をみたとき、売っている値段では、とうてい雑誌は印刷代もでません。紙代だって怪しいものです。最近は印刷代も下がってきたので、雑誌も製作費にかかる費用は下がっていると思いますが、それでも、雑誌を販売したお金だけで毎月、あるいは毎週、定期的に発行できるわけではありません。
 やっぱりね、収益の柱はなんといっても、“広告”なんですな。

広告代こそが雑誌の命


ですな。まあ、すべてといってもいいかもしれません。
 パソコン関係の月刊誌でも、カラー広告1ページにつき、掲載費だけで何十万円は最低でもするわけです。発行部数が多いものは、1ページで百万円は軽く超えますよね。こういう広告がたくさんあれば、そりゃ、雑誌社は儲かるわけですな。
 もちろん、広告を集めるためには、発行部数が多いほどいいわけです。発行部数が多いと印刷代もたくさんかかりますが、それ以上に値の張る広告も集まるわけです。出版社の多くが、単行本より雑誌で収益を上げているのもうなずけますな。おかげで、発行部数を増やすために手段を選ばす、スキャンダルを捏造する雑誌もあるようですけどね。
 広告で儲かったお金は編集代に回るんでしょうかねぇ。雑誌の編集にかかる費用はたいてい固定されているので、たくさん売れると編集コストや依頼する原稿料が上がるかというと、まあそういうことはあまりないようです。かの司馬遼太郎ですら、小説の月刊誌に原稿を書くときは、原稿用紙1枚あたり数千円だったそうです。四千円とか五千円とかね、その程度らしいですからね。雑誌の原稿料はそんなに変動があるわけじゃないわけですな。
 雑誌といっても、雑誌社はいくつもの雑誌を抱えていますから、儲かる雑誌もあれば、そうでない雑誌もあります。多少儲かる雑誌があっても、編集コストを上げるわけにはいかないでしょうな。
 しかし、こうした広告代があるから、雑誌は印刷コストより安く販売できるわけですな。広告代で稼いだお金の大半は、編集費ではなく、雑誌を安くするための、まあいえば、販売助成費になっていくわけです。雑誌が安くなれば、さらに購読部数が増えるかもしれませんから、広告もまた増えていくわけですな。
 その行き着く果てが、情報誌ですよね。広告だけでコストのすべてをまかない、数百円の書籍代は書店のマージンだとかいいますからね。
(工学社 Professional  DTP誌 2002年01月号所収)

 

第19回1/1:PDFマガジンで一番になる





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆PDFで雑誌を作ろう:PDFマガジンで一番になる1/1

 ここ1〜2年ほど、自分で本を書いて、プリンタで作って販売していたりするわけでが、私の発行している本には、本そのもののPDFが付いてます。付いているといっても、私の会社のサーバからダウンロードして貰うんですが、本とPDFとセットで販売しているわけですな。
 そういう売り方が本当にいいのかどうかはわからないのですが、話題性がなければ知って貰いにくいということがありますからね。

PDFもついてる方が口コミになりやすいのかもしれない

と思っていたりするわけです。
 もともと本を作るときに、毎月シコシコと書きためたものをまとめて本にしようと思っていました。一気に書くより、少しずつ書いていったものをまとめる方がいいのではということですな。
 それでもって、マガジンの形態で毎月発行することにすれば、原稿を書いていけるんではないかしらんと思って、PDFのマガジンを発行していたことがあります。やっぱりね、納期がないと原稿は書けないもんです。
 昨年はそうやって書いたものを、一冊の本にすることが多かったのです。Webページの方は、それ以外に書いたコラムや雑文、あるいはWeb上のニュースのコメントなどもあったので、そういうものを一ヶ月単位でPDFにしてしまうわけですな。
 最初に創刊準備号として「DTPで使うYosemite読本」という初期のPowerMac G3のハードウエアを解説したコンテンツをPDFにしましたね。レイアウトソフトで簡単にレイアウトしまして、それをダウンロードできるようにしたわけです。まあ分量は、A4サイズで見開きで12トピックくらいのものですな。
 創刊準備号のPDFマガジンをアップしていたのは、もう2年くらいまえですけどね、いまだにダウンロードされているようです。中古でPowerMac G3を買った人が資料として読んでいるのかもしれませんけど、それでも、2年間の間に、創刊準備号のPDFマガジンはかなりの数がダウンロードされたはずです。
 私もWebサイトを結構ながくやっていますが、ダウンロードというのは、Webの楽しみの一つでしょう。ダウンロードする価値があるかどうかはわからないにしても、とりあえずダウンロードしてみるというのはありますな。
 少し前までは、インターネットの回線は吹けば飛ぶのではないかと思うほど、か細かったわけですが、いまでは“ブロードバンド”が当たり前、という時勢になりましたな。いまのCATVADSLなんていうのは、来年になったら、もう“ブロードバンド”ではなくなっているでしょうな。
 ですから、PDFが多少重たくっても、ダウンロードする分にはぜんぜん大丈夫だと思いますな。それともまだISDNですか。まさか、モデムってことはないでしょうけどね。その場合はちょっと辛いかもしれませんな。別にWebブラウザでみなくても、いいわけですな。PDFをダウンロードして、ローカルでAcrobatで開いて読めばいいわけだからね。
 私の書いている本は、AcrobatとかInDesignとかMac OS Xとかの解説本なんですが、だいたいA5サイズ(PDFはA4ですけどね)で百ページ強で、スクリーンショットが二百ぐらいは入っていると思いますが、それでも、フォントを埋め込んでPDFを作成すると、5MBから10MB程度ですよ。QuickTimeのMOVIE TRAILERSの一番大きいサイズものだと、数分のもので20MBから30MBくらいはありますから、それに比べたらたいしたことはないですな。
 というようなことで、昨年は、PDFでマガジンを作ってダウンロードできるようにしていましたね。
(工学社 Professional DTP誌 2002年01月号所収)

第18回1/4:フリーウェアだってパッケージ化できる





チラシ、パンフレットの激安印刷会社                  スポンサードリンク


◆ノウハウだって形にすれば製品になる:フリーウェアだってパッケージ化できる1/4

 印刷会社にとっても、みなさんが日頃使っているフリーウェアシェアウェアのソフトで便利なものがあれば、作者に問い合わせて、製品化を打診するということもできます。
 また、社内でのノウハウを誰でもが使えるようにわかりやすくして、製品化するということもあるでしよう。ノウハウだって製品にして売ることはできるのです。
 AppleScriptで処理を行い、REALbasicでインターフェースを作れば、ほんとうに普通のアプリケーションのように作ることができます。そういう方法で、社内の業務を合理化効率化されているところは、そういうノウハウを製品化して売ってみてもいいのでしないでしょうかねぇ。
 まあ、そういうものは、「社外秘」なのかもしれません。しかし情報は発信したところに一番集まるわけですから、ノウハウを公開することが、即デメリットというわけではないと思いますね。
 私はいま、InDesignPDFを使って半自動で行う面付けのノウハウを確立しようと思っています。実際にプリンタ本は、その手法を使って面付けしてプリントしています。
 それをこんどは、一般のね、オフセット印刷の面付けでもできないものかと、日夜考えています。ただ単に、InDesignでPDFを使って面付けするだけでなく、QuarkXPressPageMakerから作ったPDFも、同じように面付けする方法も検証しています。
 QuarkXPress 3.3Jなんて、塗り足し──面付けするときのドブのことですな──を付けてPDFにすることはできないわけですが、それも確実にできる塗り足し付きのPDFを作るノウハウを確立しようとしています。そのあたりのノウハウも含めて、面付け用のデータを販売しようと思っているわけですな。
 どんな面付けでもできるわけではありませんが、16ページ程度の面付けであればね、簡単にできてしまうわけです。しかも、プログラミングなどという高いハードルは越えなくていいんですね。アプリケーションの使い方さえ覚えればできてしまう、まあ、自分で言うのもなんですが、“優れもの”ですな。
 私はね、プログラムではなくて、データであっても、製品になるのではないかと思いますね。もちろん製品化するためのノウハウもまた必要ですが。
 しかし、みなさんの身の回りに、「他の人が使っても便利だ」というようなものがあれば、それをパッケージ化するという方向性を模索してもいいのではないかと私は思います。
 というわけで、ネット上の宝の山をパッケージ化するというビジネスも展開していきたいと私は思っています。
(工学社 Professional DTP誌 2001年12月号所収)

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。